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緑風法律事務所(弁護士八木倫夫)の医療事故に特化したサイトです。当事務所については、メインHPをご覧下さい。(→本ページ右上のリンク)

弁護士八木倫夫は、検察官出身であるため、刑事弁護・犯罪被害者支援(告訴など)を得意としていますが、元々、自然科学系の思考を苦にせず、検察時代にも医療事故・薬害事件の経験があることから、弁護士転向後、医療事故も扱い始めたところ、次々とご依頼があり、自然と多くの経験を積み、ご相談に乗って頂ける協力医の先生方との人脈も構築され、常時、多くの医療事故事案のご相談を受け、交渉・裁判を行っている現在のスタイルとなりました。事故であっても、誤りではない場合もあるので、医療過誤ではなく、医療事故という言葉を使っています。

最大の特徴は、徹底した事実解明、医師意見の手厚い裏付け、マニュアルにない戦略です。

大腸がん関連医療事故(がんの発見の遅れ、大腸閉塞、縫合不全)

大腸がん関係のご相談が多いため、2019年2月の記事に加筆して掲載しています。2019年11月現在、大腸がん関連の訴訟を2件担当しており、最近、別の1件(縫合不全事案)を和解解決しました。他に、大腸内視鏡検査時の事故(大腸穿孔)事案もあり、過去に訴訟解決を経験しています。

大腸がんに関するご相談が多いのは、大腸がんの発症件数が非常に増加しているためと思われます。厚労省の統計(平成29年)では、日本人の死因1位はがん(悪性新生物)であり、その中の大腸がんの件数は、男性では3位(1位は肺がん、2位は胃がん)、女性では1位となっています。

大腸がんに関連する医療事故として多いのは、1:見落とし(発見の遅れ)、2:大腸閉塞の治療の遅れ、不備、3:大腸切除術の際の縫合不全(吻合不全)です。大腸がん手術後の縫合不全の頻度は、5%前後と、驚くべき多さです。私の最近の経験では、2と3が非常に多いです。他に、大腸内視鏡検査時の事故(大腸穿孔)事案もあり、過去に訴訟解決を経験しています。

1は勿論、いずれの事案でも、腹部画像所見の評価が不可欠であり、重要ポイントになる場合がしばしばあります。大腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S上部、直腸)は、腹腔内の広い範囲をグルっと回って腹腔外に出ており、素人には画像の位置関係が理解し難いです。私は、大腸が問題になる事案では、再三、内科・外科、放射線科等の医師の先生方に画像の見方を質問し、お手を煩わせています。

2では、大腸閉塞の基本的な検査・治療(絶食、輸液、抗生剤、イレウス管又は大腸ステント)の遅れ、腸閉塞のうち、複雑性腸閉塞(腸管に血流障害があるもの=壊死・穿孔の危険がある)の緊急手術の遅れが主に問題になります。大腸閉塞(大腸イレウス)は、大腸がんによる大腸の閉塞、機能及び弾力性の低下、これらに由来する便秘・糞便の貯留によって生じます。大腸閉塞は、血流障害を生ずると急速に悪化し、大腸穿孔及び腹膜炎により、短時間で死亡に至りますし、血流障害が生じない事案でも、放置すると大腸内から腹腔内に漏出したバクテリアによる感染(バクテリアルトランスレーション)で死亡する場合がある致死的疾患です。医師の診察を受けたにもかかわらず、単なる便秘と片づけられる(誤診される)場合があり、便秘は要注意です。

3では、大腸切除術に伴う縫合不全の発生時期、縫合不全の原因として手技の誤りはないか、縫合不全の発見及び治療の遅れ、治療の不備、廃液ドレーンが適切に留置されていたか、因果関係(適切に対処できた場合の救命可能性)が主に問題になります。

1から3のいずれの事案でも、致死的疾患である大腸がんであるため、適切な治療をしていれば救命できたか、という因果関係に関して、大腸がんの進行度(Stage)が問題となります。

大腸がんは頻度の高い疾患ですが、医療事故の責任を問う場合、上記のように、要検討事項が多く、証明困難な場合も多いため、患者側は、相当な時間と労力を強いられます。 多くの被害者の方は、あれも悪い、これも悪いと、病院側の多数の落ち度を取り上げ、それだけ悪いのだから絶対責任を免れない、と考えます。しかし、殆どの場合、ご自分が思っている程、証明できているとは裁判所に評価されておらず、どれもこれも採用されず、不成功に終わります。肝心なのは、争点を絞り込み、シンプルな事実関係を、自分が十分と考えている以上に立証し切ることです。

しかし、殆どの場合、ご自分が思っている程、証明できているとは裁判所に評価されておらず、どれもこれも採用されず、不成功に終わります。肝心なのは、争点を絞り込み、シンプルな事実関係を、自分が十分と考えている以上に立証し切ることです。

2019年の取扱実績

2019年1月から12月までの時期の提訴、裁判外で和解、裁判上で和解、勝訴判決の状況です。敗訴判決はありません。

この期間の提訴事件:消化器1件、眼科1件、形成外科3件(アルカミド関係)

2020年2月29日現在、訴訟中の事件:透析関係1件、消化器3件、眼科1件、精神科・骨折1件、脳神経外科1件、形成外科1件

裁判外和解:消化器外科1件(大腸がん・縫合不全)

裁判上和解:4件

判決 腎臓内科1件、 脳神経外科1件(地裁判決→高裁で裁判上和解)

調査中・訴訟中を含むこの時期の主な取扱事案  大腸がん、大腸閉塞、胃がん、病院内転倒、シャイドレーガー症候群、透析、脊髄手術、レーシック手術、美容整形(フィラー注入、顔面手術)、歯根嚢胞(のうほう)、縫合不全

                                             

高齢者の医療事故

以下は、高齢者に多い傷病ですが、高齢者の医療事故に関連する傷病(医療事故の契機となった傷病又は結果として生じた傷病)でもあります。

試しに、平成29年から31年現在までの間に、私が実際に基礎調査以上の業務をお引き受けした事案の件数を書き出してみたところ、実際にも、下記のように多くなっています。全て患者が60台後半以上の高齢で、カッコ内は、示談解決したか、勝訴判決を受けた事案です。

病院内転倒:4(1)  大腸がん:5  大腸内視鏡検査:1(1)  胃がん:2  脱水:2(1)                             

心筋梗塞:2(1)  脳梗塞:1(1)  肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症:1(1)  

高齢者に転倒事故が多く、余命を悪化させる原因であること、大腸がんの発症が増大していること、がよく言われていますが、正に、それを裏付ける実態となっています。

なお、敗血症・誤嚥性肺炎は、様々な事故・傷病の最終段階として現れ、死因となることが多いため、カウントしていませんが、医療事故に関連する疾患としては最多です。

高齢者の場合、症状が出にくい、身体予備能力が低いため、病状が急速に悪化するなどの特徴から、死亡率が高く、死亡事故につながりやすいと同時に、医療機関側の予見可能性の難しい傾向があり、患者側の立証に苦労を要します。

レーシック難民(レーシック・ラゼックによって生じた健康障害)

 

レーシック難民とは、レーシック手術の先駆者である吉田憲次医師の造語で、「レーシック手術後、目や体に何らかのトラブルが起こっているにもかかわらず、適切な治療を受けられずに行き場を失っている人達」を意味します。以下では、レーシックと共通点が多いラゼックも含めて述べます。

私は、レーシック手術における医療事故訴訟が過去に起こされたことは知っていましたが、現在もなお、レーシック難民が多発していることは、2019年にレーシック難民の方からご相談を受け、提訴準備をするまで知りませんでした(この事案は、ラゼックの事案であり、専門医の先生に教えを受け、提訴しました)。

調べてみたところ、このような実情に関しては、吉田医師の著書(「ササッとわかる近視矯正手術レーシックで失敗しない本」、「近視、近視矯正手術を受ける前に」)等、多くの情報がありました。

近視矯正手術は、日本では、治療レーザーが許可された1998年から本格的に開始されました。アルカミド等の非吸収性フィラーの問題とは、治療方法が実用化されてから歴史が浅く、数十年先の長期予後・合併症が完全には判明していない点、自由診療であり、国の規制が及び難いため、技能やモラルに問題がある医療機関が存在し易い点、合併症が発生した場合に治療できる医療施設が少ない点などで、共通していると感じます。

他方で、実施自体に問題がある非吸収性フィラーの場合と違い、レーシック手術は、多くの医療施設で適切に実施され、有効性が実証されています。そのため、不幸にして被害を被った場合でも、直ちに医療側の過失があったと推認することはできず、患者側は、立証に多大な困難を強いられます。ネット情報を見ると、レーシック手術の技術力を宣伝する医療施設が多いのに対し、他の施設で合併症が生じた患者に向けて、治療や事実解明へのサポートを提供している医療機関ほ殆ど見当たりません。

レーシック手術を標榜される眼科医は、手術を実施する以上、被害が生じた患者の救済にも力を入れて欲しいものです。

2020年5月追記

実際には、レベルが高く良心的な専門医が多数おられ、被害者救済されれいますが、患者がこのような医師を見つけるのは至難であり、巡り合えた患者は幸運と思います。

 

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