乳がんは,全身への転移が少ない初期段階で治療開始すれば,治りやすいがんであり,生存率が高いが,再発・転移後は,治療困難となり,多くは死に至る。予後は,再発・転移の危険性に左右され,その危険性は,治療開始時の進行度(病期,腫瘍径,リンパ節転移の数)に大きな影響を受ける。よって,他のがん以上に,早期発見・早期治療が決定的に重要であることが,共通認識となっている。
乳がんの病期,腫瘍径,リンパ節転移の数による再発・転移の危険性の変化については,複数の統計資料があり,以下はその一例である。
◇愛知県がんセンター統計
5年無病生存率 75.9%(リンパ節1~2個)→ 56.4%(3~7個)
5年生存率:82.5%→70.1% 10年無病生存率:69.5%→47.1% 10年生存率:73.0%→58.3%
◇全国乳がん患者登録調査報告29号
10年生存率 78.6%(Ⅱ期) 58.74%(ⅢA期)
◇癌研有明病院統計
10年生存率 88%(1~2cm) 79.4%(2~3cm) 72.9%(3~6㎝) 79.1%(1~3個) 58.4%(4~9個)