カルテ開示と証拠保全について(その2)・・・平成31年4月追記 

証拠保全の意義・効果

主要な診療経過が把握できるようになる。ただし、必要な情報の全部が網羅されているわけではなく、以下の問題があり、必要条件にすぎません。

病院側が必要と考える情報が記載されており、患者側が知りたい情報の全部は書かれていない。例えば、多くの事案で、患者の痛み等の訴えが実際より過小に書かれていたり、脱水が問題となる事案で、水分投与量、尿の量、体重が殆ど記載されていないなど。

よく誤解されていますが、全部をリアルタイムで作成するのではなく、メモと記憶に基づき、時間のある時にまとめて書いている部分があるため、処置の時刻が必ずしも正確でない。例えば、病室でアラームが鳴動した時刻、看護師が病室に到着した時刻、心臓マッサージを開始した時刻など。

カルテの不足部分、不正確な部分を、患者・家族の供述や、事後の病院への照会、裁判での証言等でカバーできる場合もありますが、相当の労力が強いられますし、カバーできない限界があります。

よって、医療事故訴訟の実務では、民事でも刑事でも、カルテの入手は当然のこととして、それだけでは分からない事実関係を明らかにするための創意工夫と粘り強い努力が必要になります。どうにもならない限界があるため、限界を見極め、諦める判断も重要です。

事実経過に関する患者・家族の陳述書、前医・後医のカルテの入手、病院側への質問・文書での照会、手術ビデオや手術時の検体の標本など、カルテ外の情報の取得

                                        

医療事故の基礎知識

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