訪問医療の闇

訪問診療・訪問医療の闇

2019年に下記記事を書いた際に念頭にあった事案の一つを実際に大阪地裁に提訴し、2021年2月、一部勝訴判決を受け、マスコミ報道もされ、一審で確定しました。この事件は、様々な条件が揃い、提訴することが出来ましたが、同様な事案は多数あり、氷山の一角です。

一部の医療機関及び訪問看護ステーションが、訪問先の認知症の高齢患者を取り込み、他の医療機関を受診させず、診療報酬・看護報酬の過大請求をするなどし、不当に利益を上げ続けている、という一般には知られていない実態があります。

事案

堺市の内科クリニックの医師及び提携している訪問看護ステーションの看護師は、訪問診療・訪問看護先の高齢者の診療に関し、〇うつ病の診断をしながら、家族に説明して、専門医療機関を紹介するなどの適切な処置をせず、〇褥瘡がないのに重度褥瘡の診療報酬請求をし、〇患者が足の痛みを訴えて歩かなくなり、骨折が疑われたのに、詳細な検査をせず、専門医療機関の紹介もせず、骨折の治療が遅れる(その後、見かねた家族が他病院を受診させ、骨折が判明)などの不適切な行為をし、その結果、患者は寝たきりとなり、入院先で感染症で死亡した。

判決は、被告医療法人及び医師との関係で、死亡との因果関係を除き、上記主張を大筋認め、慰謝料を認定。訪問看護ステーションの責任及び死亡との因果関係は否定。 同時案は、患者家族が詳細な日記を残しており、医師との会話を一部録音しており、関与した訪問看護師が不正を内部告発して患者側に協力するなどの特殊事情があり、豊富な証拠を用意できたため、一部とはいえ勝訴できたもので、一般には、このような事件の証明は極めて困難です。  

 

(過去の記事)

やや過激なタイトルですが、私がこれまでに複数の事件処理の過程で内部関係者から見聞きした経験として、明らかに故意の不正と考えられる診療報酬や訪問看護報酬等の著しい過大請求があります。

患者が気付かない方法でやるか、気付かない認知症等の患者を対象とします。トップの指示で組織ぐるみで行われており、それに反対する職員等は、パワハラを受けたり、自ら組織を去るので、容易に発覚しません。このような不正が多い診療分野は、歯科と認知症等の高齢者の訪問診療です。報酬を不正に受給するだけでなく、患者が健康被害を受けている場合があるので、闇と表現しています。

こうした不正は、診療報酬等を詐取したとして刑法上の詐欺罪又特別法違反に該当する場合がありますが、多くは、発覚しにくい状況で行っているため、立証困難であり、刑事・行政上の処分を受けているのは、ごく一部です。

私の複数回の経験では、こうした実態があることを警察も自治体も知っていますが、立証困難のため、最初から難しいと諦めている感があり、診療報酬等の不正受給額が極めて高額な場合でなければ、積極性が見られません。

複数患者に不要な治療をして死亡させた奈良の山本病院事件は、極端な例であり、これだけのことをすれば、多量の証拠が残りそうですが、この事件でも、刑事処罰(殺人・業務上過失致死ではなく、詐欺罪)されたのは一連の不正のごく一部だけのようです。

刑事告訴、行政処分、民事訴訟等の手段で、患者側がこうした不正の責任を追及するには、冷静さを維持しつつ(非常に重要、感情的・悲観的になる場合が多い)、粘り強い努力を重ねる必要がありますし、マニュアル的な処理ができない困難事案の解決に慣れた弁護士の協力と創意工夫も必要です。

不正の例

治療してない歯を治療したことにする。

投与してない薬剤を投与したことにする。行っていない処置をしたことにする。(頻度が多い。一応の理由があり、不正でない場合もある)。

必要な治療をせず、不必要な治療をしたことにする。

通院してないのに、通院してマッサージを受けたことにする(鍼灸整骨院の例)

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