痰による窒息死

高齢者が肺炎等で入院中に痰が詰まって窒息死した事案のご相談は、従前から多く、最も多いジャンルの一つです。最近、医療機関に余裕がないためか、妙に多いです。

一見すると、痰の吸引の遅れという単純なミスに見えますが、以下のような類型に分かれます。多くの事例で、密室での出来事であり、判断の前提となる事実経過の証明が困難という問題があります。

A 事実経過に不明点が多く、過失の有無と救命可能性の判断ができない事例、窒息死かどうかも不明な事例

B 痰による窒息が予見できたのに、頻回の見回りとモニタリングがされなかったため、気付くのが遅れ、窒息死した事例

→①頻回の見回りとモニタリングをしていれば、救命できた事例、②それでも救命不可能だった事例、③いずれであるか判断困難な事例に分かれます。

Ⅽ 痰による窒息に気付き、窒息死する前に対処されたが、蘇生措置の不備のため、死亡した事例

※蘇生措置に不備があったかどうかの立証が困難です。

何よりもまず事実経過の立証が重要です。カルテだけでは不十分であることが多く、証拠収集の工夫を要します。患者側に立証責任があるため、事実関係が不明なまま(A)ではどうにもなりません。

事実経過がある程度証明できる場合、多くはBかⅭに分かれ、最終的に責任を問えるかどうかは、事実経過がある程度明らかになり、かつ、多くの場合、医師の意見を聞きいてみなければ分かりません。判断が難しい事案では、救命救急の専門医の先生に意見を求めて判断します。調査の結果、やはり、本当に単純なとんでもないミス、怠慢と分かったという事例もあります。

このように、一見単純そうでも、責任の有無を判断するのに労力を要し、調査の結果、色々な結果に分かれるため、お引き受けする際は慎重になります。

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